「ゲームは発売1年後までサブスク禁止に」開発者が異例の提案…その後“数百万人”に遊ばれて分かったこと

ゲーム総合

ゲームを定額料金で遊べるXbox Game PassやPlayStation Plusなどのサブスクリプションサービス。

ユーザーにとっては多くのゲームを気軽に試せる便利なサービスですが、ゲームを作る側にとっても同じようにメリットばかりなのでしょうか。

2025年、『Revenge of the Savage Planet』を発売初日からXbox Game Passで提供したRaccoon Logicのクリエイティブディレクター、Alex Hutchinson氏がゲームサブスクについて異例の提案を行い、5chでも議論になりました。

それから時間が経ち、同作は数百万人規模のプレイヤーを獲得。しかしHutchinson氏は、その後も収益面について厳しい見方を示しています。

「たくさん遊ばれること」と「ゲーム会社が儲かること」は同じではない――。サブスク時代ならではの難しさが見えてきました。

「発売から1年間はサブスクに入れない」

『Revenge of the Savage Planet』は、カナダのRaccoon Logicが開発したSFアクションアドベンチャーです。

前作『Journey to the Savage Planet』の流れを汲む作品で、2025年5月にPCやPlayStation、Xbox向けに発売。Xboxでは発売初日からGame Passでも提供されました。

ところが発売約1カ月後、Hutchinson氏は海外メディアGamer Social Clubのインタビューで、ゲームのサブスクリプションについて持論を展開します。

同氏が提案したのは、業界全体で「ゲームは発売から1年経過してからサブスクリプションサービスに入れる」という考え方です。

映画がまず劇場で公開され、その後にDVDなどで販売され、さらに時間が経ってテレビやストリーミングへ展開されてきたように、ゲームにも販売時期を分ける仕組みが必要ではないかと主張しました。

なお、一部では「サブスク入りを法律で1年間禁止すべき」といった受け取られ方もしましたが、本人が語ったのは法規制の要求ではなく、業界全体でそうしたルールに合意すべきという個人的な提案です。

5chでは「嫌なら出さなきゃいい」の声

この発言に対して、5chでは「そもそもサブスクへの提供は開発会社側が契約して決めるものでは?」という反応が相次ぎました。

「嫌なら出さなきゃいいんじゃね?」

「スレタイ一瞬意味わからんかったが、リリースしてから一年以内は出さないようにするべきってことね」

「ゲームによるんじゃね?」

特に多かったのが、「採算が合わないなら契約しなければいい」という意見です。

「普通力のある開発がプロモーション的な感じでやるもんだろ ゲーパスで利益を得ようとしてること自体が間違ってる」

「いやしなきゃいいだけじゃねえのこれ?」

「サブスク入りを断ればいいだけなのに法整備とか何言ってるの?って感想しかでない」

ただし最後のレスについては、先ほど触れた通り、Hutchinson氏本人が「法律を作るべき」と発言したわけではありません。

なぜ自分のゲームを発売初日からGame Passへ?

ここで当然出てくるのが、「それなら、なぜ自分たちは発売初日からGame Passに入れたのか?」という疑問です。

Gamer Social Clubも本人へこの点を質問しています。

Hutchinson氏によると、狙いのひとつはGame Passによって多くの人にゲームを知ってもらうことでした。

サブスクで本編を遊んだユーザーが追加コンテンツを購入したり、友人へ勧めて別プラットフォームでの販売につながったりすることを期待していたといいます。

ところがインタビュー時点では、期待していたような効果は確認できていないと説明しました。

一方で、ゲーム自体の販売については好調としており、Game Passそのものが作品を失敗させたという話ではありません。

「昔ほど契約金が大きくない」とも発言

5chでも注目されたのが、サブスクリプションサービスへゲームを提供する際の契約金についての発言でした。

「ほう、前まではゲーパス入りの契約金でかかったけど、今は縮小してちっぽけなんだな 内部事情が伺えるね」

Hutchinson氏によれば、数年前にはサブスクリプション契約によって支払われる金額が開発会社にとって大きな意味を持っていたものの、現在では小規模なゲームや一部の巨大ブランドを除き、それほど大きな額ではないとのこと。

ただし具体的な契約金額は公開されておらず、これはRaccoon Logic側から見た経験と評価です。

またHutchinson氏はMicrosoftについて「素晴らしいパートナー」と評価しており、Microsoftとの関係そのものを批判しているわけではありません。

100万人以上が遊んでも「販売本数」ではない

『Revenge of the Savage Planet』は発売から数週間で100万人以上のプレイヤーを獲得しました。

小規模なスタジオが手がけた作品としては非常に大きな数字です。

ただし、ここで注意したいのが「100万人のプレイヤー」と「100万本販売」はまったく違うということです。

Game Pass加入者はゲーム本体を個別購入しなくてもプレイできるため、サブスク経由のプレイヤーが増えれば、販売本数とは別にプレイヤー数だけが大きく伸びることがあります。

実際、Hutchinson氏も当時、Game Passから多くのトラフィックが来ていると説明していました。

その後“数百万人”に遊ばれたが、収益には不満

そして、この話には続きがあります。

2025年後半のインタビューでHutchinson氏は、『Revenge of the Savage Planet』が数百万人規模のプレイヤーに遊ばれた一方、期待したほど収益化できていないと改めて説明しました。

特に問題視していたのが、本編をサブスクで遊んだユーザーから有料追加コンテンツへの転換です。

ゲーム本体を購入したユーザーと比較して、サブスク経由のユーザーは有料DLCを購入する割合が低かったとしています。

つまり、2025年6月に語っていた「サブスクで多くの人に遊んでもらい、DLCなどの購入につなげたい」という期待は、その後も十分な成果にはつながらなかったことになります。

もちろん、これは『Revenge of the Savage Planet』という1作品とRaccoon Logicの経験です。

すべてのゲームがGame Passなどのサブスクリプションで同じ結果になるとは限りません。

GAME速AI分析

ゲームサブスクリプションを考える際に難しいのは、ユーザー、プラットフォーム運営会社、ゲーム開発会社でメリットが必ずしも一致しないことです。

ユーザー側にとっては、一定額を支払えば多数のゲームを遊べるため、これまで購入するか迷っていた作品にも気軽に触れられます。

プラットフォーム側には、定額サービスへの継続加入を促し、自社のエコシステムへユーザーを留めるメリットがあります。

一方、開発会社側では事情が複雑です。

サブスクによって通常なら届かなかった大量のプレイヤーへ作品を届けられる可能性がある一方、それが本編販売やDLC購入へどの程度つながるかは作品によって異なります。

特に買い切り型のゲームでは、「プレイヤー数が増えること」と「売上が増えること」を同じ指標として扱うことはできません。

逆に、サブスクによる契約収入で開発費の一部を早い段階で確保できる作品や、口コミによる知名度向上が重要な作品では、Day Oneでの提供が有効に働く可能性もあります。

そのため「発売初日のサブスク提供は成功する」「失敗する」と一律に判断するより、契約条件、開発規模、ゲーム本体の価格、DLCなどの追加収益、他プラットフォームでの販売などを含めて考える必要があります。

『Revenge of the Savage Planet』の事例が示しているのは、数百万人へゲームを届けることに成功しても、それだけで開発会社のビジネスが成功したとは限らないということです。

ゲームサブスクが長期的に成長していくうえでは、「何人が遊んだか」だけではなく、「ゲームを作った会社へどのように利益を還元するか」も重要な課題になりそうです。

まとめ

『Revenge of the Savage Planet』のクリエイティブディレクターAlex Hutchinson氏は2025年、ゲーム業界全体で「発売から1年経過してからサブスクリプションへ提供する」という仕組みにした方がいいとの考えを示しました。

これは法律による禁止を求めた発言ではなく、映画の劇場公開からストリーミングまでのように、ゲームにも販売期間を設けようという提案です。

同作はDay OneからXbox Game Passで提供され、数週間で100万人以上、その後は数百万人規模のプレイヤーへ到達しました。

しかしHutchinson氏によれば、大量のプレイヤー獲得が期待したほどDLCなどの収益にはつながらなかったといいます。

サブスクによってゲームを知ってもらえるメリットと、開発会社が持続的に利益を確保できるかという問題。

ユーザーにとって便利なゲームサブスクがさらに普及していく中で、このバランスは今後も議論になりそうです。

管理人コメント

私としては、サブスクに入れて採算が取れないなら無理してやらなくてもいいんじゃないかなと思います。

ユーザー側からすれば、定額でいろんなゲームを遊べるのはもちろんありがたいです。でも、それで開発会社が苦しくなってしまったら、巡り巡って困るのはユーザー側でもあるんですよね。

開発費を回収できなければ次回作を作るのが難しくなったり、ゲームにかけられる予算が減ったりする可能性もある。だったら、ちゃんとメーカーが利益を出せる形で続けてもらった方が、長い目で見ればユーザーにとってもいいと思います。

それと、考えてみたら私はサブスクで遊んだゲームを後から買ったことがないんですよね(笑)。

むしろ「買うほどではないけど、サブスクにあるならやってみようかな」という使い方をしています。

もちろん全員が同じとは限りませんが、今回の開発者が期待していた「サブスクで遊んでもらう→DLCやゲームの購入につながる」という流れが簡単ではないという話は、ちょっと分かる気がします。

サブスクはユーザーにとって便利だからこそ、それでちゃんとゲーム会社にもお金が回る仕組みになってほしいですね。

情報元

Gamer Social Club – Alex Hutchinson氏インタビュー
Xbox Wire – Revenge of the Savage Planet
PC Gamer – 数百万人のプレイヤー獲得後の収益について
5ch – 元スレッド

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