「DEI要素の強いゲームは、“そこそこ面白い”だけでは売れないのではないか」――。
2025年5月、漫画家の山本さほ氏がITmedia NEWSに掲載したコラムをきっかけに、ゲーム業界におけるDEI(多様性・公平性・包括性)とゲームの面白さを巡る議論が5ちゃんねるで盛り上がりました。
記事では『アサシン クリード シャドウズ』をはじめ、『CONCORD』『Unknown 9: Awakening』『Dragon Age: The Veilguard』などを取り上げ、作品に込められるメッセージ性とエンターテインメントとしての面白さについて問題提起しています。
では、当時大きな批判を集めていた『アサシン クリード シャドウズ』やUbisoftは、その後どうなったのでしょうか。
「そこそこ面白いだけじゃ売れない?」漫画家のコラムが話題に
発端となったのは、ITmedia NEWSに2025年5月25日に掲載された山本さほ氏のコラムです。
山本氏自身は『アサシン クリード シャドウズ』をクリアまでプレイしており、操作性やサブクエストなどに不満を感じながらも、全体的な完成度については評価しています。
その一方で、DEI要素の強い作品について、キャラクターやストーリーに一定の制約が生まれているように感じたとし、それ以外の部分に相当な魅力がなければ売上を伸ばすのは難しいのではないか、という趣旨の問題提起を行いました。
5ちゃんねるでも、この「ゲームはまず面白くなければならない」という部分を中心にさまざまな意見が出ています。
ふつーに面白いだけじゃあ壁は破れねえめちゃくちゃ面白いでやっとスタート地点そういう物でしょエンタメて
そもそもUBIのゲームが「そこそこ面白い」ぐらいのゲームばかり
シャドウズに限った話じゃない
フツーに面白いというのは〇ソゲーではないというレベルであってわざわざそのゲームを選ぶ理由がないんだよな
激安セールで手を出すかもぐらい
DEIが「多様性を狭めているのでは」という批判も
スレッドでは、DEIそのものについても議論になりました。
本来DEIは「Diversity(多様性)」「Equity(公平性)」「Inclusion(包括性)」を意味しますが、ゲーム制作において特定のキャラクター像や表現を意識しすぎることで、逆に創作上の選択肢を狭めているのではないかという批判も出ています。
多様性といいながら、黒人を正義マンとして出さないとだめ、ホモレズのがいないとだめとか、、、
多様がない縛りプレイからな
エンタメとは夢や憧れ
リアルさや現実、政治臭え思想はエンタメではない
もちろん、これらはスレッド参加者それぞれの意見であり、個々の作品の売上や評価がDEIによって決まったことを示すものではありません。
一方で「社会的なメッセージをゲームの面白さより優先しているように感じる」と受け取るユーザーが存在することは、今回の議論からも見えてきます。
特に批判を集めた『アサシン クリード シャドウズ』の弥助
『アサシン クリード シャドウズ』では、日本人の忍である奈緒江と、実在したアフリカ出身の人物・弥助がダブル主人公として採用されました。
戦国時代の日本を舞台にしながら、実在人物である弥助を「侍」としてプレイアブル主人公にしたことなどを巡り、発売前から国内外で大きな議論となりました。
スレッドでも、単純に主人公の人種だけではなく、日本の歴史をどのように扱うのかという部分への反発が見られます。
日本人は主人公の色とか気にもしない
無意味に歴史を改変しそれがリアルだの喚くのは許せない
これって普通に当たり前の感情なんだよね
誰だって自分の国の歴史を捻じ曲がった論拠でリアルだの言われたくネーわ
Ubisoftもこうした批判を認識しており、2024年7月には日本のユーザーに向けて声明を発表。
『アサシン クリード』シリーズは史実そのものを再現する作品ではなく、実在の出来事や人物から着想を得たフィクション作品であると説明しました。また、プロモーション素材の一部について日本のユーザーに懸念を生じさせたとして謝罪しています。
弥助を「侍」として描いている点についても、Ubisoft自身が議論の対象になっていることを認識していると説明しています。
Ubisoftの業績悪化=『シャドウズ』不振とは断定できない
当時の記事ではUbisoftの2024-25年度決算も取り上げられました。
Ubisoft公式決算によると、2024-25年度のIFRS売上高は18億9,920万ユーロで前年比17.5%減。ネットブッキングは18億4,640万ユーロで前年比20.5%減となりました。
ここで注意したいのは、当時の記事などで「18億4600万ユーロの売上」と表現されることがありますが、正確にはこの数字はネットブッキングだという点です。
また、Ubisoft全体の業績悪化をそのまま『アサシン クリード シャドウズ』の不振やDEIだけに結びつけることもできません。
Ubisoft自身は同じ決算資料の中で『シャドウズ』について「堅調なパフォーマンス」と評価し、『アサシン クリード オデッセイ』を明確に上回ったと説明しています。
一方、この決算では『シャドウズ』の具体的な累計販売本数は公表されていません。
そのため、「DEIだから売れなかった」「『シャドウズ』が売れなかったからUbisoftの業績が悪化した」といった単純な因果関係を、公開されている数字だけから断定することはできません。
GAME速AI分析:問題はDEIそのものか、それとも「面白さより前に出ること」なのか
今回の議論で重要なのは、登場人物にさまざまな人種・性別・性的指向のキャラクターが存在すること自体と、それをユーザーが「作品よりも優先されたメッセージ」と受け取ることは別の問題だという点でしょう。
『アサシン クリード シャドウズ』の場合も、批判は弥助が黒人であるという一点だけではありませんでした。
実在人物を主人公に採用したこと、弥助を侍として描いたこと、日本の歴史や文化の表現、そしてUbisoftが発売前に行ったプロモーションなど、複数の論点が重なって大きな議論へ発展しています。
一方で、Ubisoftの決算資料を見る限り、『シャドウズ』そのものを単純な商業的失敗と断定することもできません。
だからこそ今回の5ちゃんねるで出ていた「そもそもUBIのゲームがそこそこ面白い程度なのでは」という意見は別の角度から見る必要があります。
ユーザーがゲームに求めているのは、最終的には「その作品を買って遊びたいと思えるかどうか」です。
社会的なテーマを扱うこと自体が問題なのではなく、それがキャラクターや世界観、歴史設定よりも先に見えてしまったとき、一部のユーザーが作品から距離を置く可能性はあります。
今回の騒動は「DEIだから売れる・売れない」という単純な話よりも、クリエイターが伝えたいものと、ユーザーがエンターテインメントに求めるもののバランスについて考えさせられる事例だったと言えそうです。
まとめ
2025年5月、「DEI要素の強いゲームは“そこそこ面白い”だけでは売れないのではないか」という漫画家・山本さほ氏のコラムをきっかけに、5ちゃんねるでゲーム業界とDEIを巡る議論が起こりました。
特に『アサシン クリード シャドウズ』では、弥助を主人公の一人として採用したことや歴史表現を巡って発売前から大きな論争となり、Ubisoft自身も日本向けに声明を出しています。
ただし、Ubisoft全体の業績悪化や株価下落を『シャドウズ』やDEIだけの結果とする根拠は確認できません。
一方で、ユーザーから「ゲームの面白さより別のメッセージが前面に出ている」と受け取られれば、それ自体が作品への興味を失わせる要因になり得るという議論は、今後のゲーム制作でも続いていきそうです。
管理人コメント
私が一番引っかかったのは、日本を舞台にしているのに、なぜ日本人だけを主人公にしなかったのかという点です。
シリーズがこれまでも同じような方針で主人公を選んできたのならまだ分かります。でも、なぜアジア、それも日本が舞台になったところで、実在した黒人男性の弥助を主人公の一人にしたのか。黒人主人公を描きたいのであれば、欧米を舞台にした作品でもできたはずです。私にはその選択そのものがむしろ差別的に感じられました。
もちろんフィクションとして自由に描くこと自体を否定するつもりはありません。ただ、それなら最初から「これは史実を題材にしたフィクションです」ともっと前面に出してほしかった。弥助という実在人物を大きく押し出した宣伝の仕方も含めて、私はかなり不快に感じました。
結局、ゲームとして圧倒的に面白ければ、それでも遊んでみようと思えたかもしれません。でも私にとってはゲーム自体にもそこまで魅力を感じないうえ、自国の歴史を題材にした作品でこうした違和感まで抱えてしまった。そうなると、わざわざプレイしようという気にはならないですね。
情報元
ITmedia NEWS「DEI要素の強いゲームは『そこそこ面白い』だけじゃ売れない?」
Ubisoft『アサシン クリード シャドウズ』開発チームより、日本の皆さまへ
引用元:5ちゃんねる
https://krsw.5ch.net/test/read.cgi/ghard/1748176428/



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